代表挨拶

 

確かに世の中には、良いことをしたいとか、人のためになりたいと思う人はたくさんいらっしゃる。 そしてそれに基づいて活動したり、団体を立ち上げたりしている人たちもいる。 それらの人たちの根底の思いや意図がどうであるのかがどうであれ、結果的に困っている人や救いを求めている人たちに手を差し伸べるのは良いことのように思われる。 ところが一見良い活動をしているように思える団体も多いわけだが、そこには3つの落とし穴が存在する。

1つは、正しい知識と判断力がなくては、何が本当に良いことで、何が必要なのか分からないということである。 人のためと思って、間違った知識に基づき行動していては、いかに思いは崇高でもその結果は不利益でしかない。また、ある特定の物事に着目するばかりにその周辺の物事を犠牲にしていないだろうか。その場合、そのある特定の物事に限って言えば良いことをしているかもしれないが、もっと広い視点で見たならば全体としてマイナスの行いをしているなんてこともしばしばである。

2つ目に、非効率的な活動が多いということである。どの団体や法人も、自ら何かを立ち上げると得てしてそこに固執してしまい排他的になる傾向にある。目的は社会貢献なのではないか?それとも自分の作った団体や設立者である自分の名声を高めることだけなのだろうか?現在、社団法人やNPO法人などから各種学会に至るまでやみくもに乱立している状況にある。本来こんなに多くの数の団体が存在する必要性はないはずであるから取捨選択すべきである。そして、規模の経済や範囲の経済という観点から考えても、協同・連携して活動した方が良いものも多いはずである。そこで本当に有益な活動をしている団体はどこかを判断し、それら団体同士の協同・連携を図るべく提案並びにサポートすることが必要と考える。

3つ目になるが、多くの団体が結局のところは全く利益にならないことや既存の利益と対立すること、あるいは既成概念を打ち崩すようなことはやらないということである。 活動を維持するためにはそのための資金が必要である。だから資金を調達できうるようなことしか活動していない団体が多い。また特定の個人・団体からの寄付で成り立つ団体はその特定の個人や団体に活動方針を依存することになり中立的な判断が行えていない。 また営利企業とは異なり、公益法人は既成の概念から脱却しにくい性質があるのかもしれない。より良いソリューションがありえたとしても団体の特性ゆえかそれが見えていない、あるいは見えていてもそれに従い活動していないのではないか。

そこで我々はこれら既存の問題点に対峙すべく次のことを活動方針として掲げる。

1 判断

正しい知識・判断力に基づき何が正しいか何が必要かを判断する

2 協同・連携

既に素晴らしい活動団体が存在する分野に関しては、それら団体を有機的に協同・連携させるべく取り組み、総和としてより良い結果を得られるように活動する

3 創成

現在活動団体が存在しない分野に関しては、我々が新たに問題点を提案し活動を活性化すべくではなくする

理事長 大澤隆之